1.
ゼミの紹介
哲学の本を読みます。哲学者たちの思考を、テキストに即して、理解しようとします。よく分からないときは、どのように分からないのかを明らかにしようとします。これを繰り返し、彼らの思考のなかに入っていきます。そしてそこでは、自分を含めて世界がどのように現れるのか、見ようとします。
哲学カフェをときどき開きます。例えば「愛」、例えば「大人になる」、例えば「AI」。多くの学生が深く考えたいと思うことからテーマをひとつ選びます。そして自分の考えをめいめい語り、また語るのを聴きます。
2.
教員の専門とゼミの関連性
おもにヨーロッパの、近現代の哲学を研究しています。とくにフランスの、ベルクソンの哲学を中心に。
これまでゼミで読んできたのは、例えばプラトンの『ソクラテスの弁明』、例えばデカルトの『省察』、例えばベルクソンの「変化の知覚」。
いずれにせよ哲学の研究は、精神の高峰に登るようなもの。高く登るにつれ空気は薄くなり、一歩を踏み出すのもやっとになります。ただ、それぞれの頂きから見える眺めは、これまで見たことのないものばかりです。できたらそこまで連れていきます。
3.
身につく力
何が身につくのかな、と思う前に、哲学のゼミに身を置いたみなさんは、こう問うようになるでしょう。力を身につける、身につけるってどういうこと。身ってなに、力ってなんだろう。
子どもみたいですね。でも哲学をすることは、ふたたび子どもになることです。ぼーっとして見えるけれど、たまにはっとさせることを問う子どもに。
その子は、ひとよりちょっと遅れて、こう問い直すかもしれません。世のひとが、役に立つ力を身につけるよう求めるのは、世のなかがどんなだからか。
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本を読む
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私は何のために生きているの
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卒業旅行で