1.

ゼミの紹介

子供は、どの言語でも、驚異的なスピードで無意識のうちに、複雑な文法体系を獲得してしまいます。当然のことのように思われますが、考えてみるとこれは非常に不思議なことです。このゼミでは、英語や日本語をはじめとした人間の言語間の文法の違いや共通点がどこから来るのか、またそれを子供がどのように効率よく獲得していくのか、について、様々な言語の文法の違いや、子供の言語獲得に関する実験例をもとに、考察しています。

2.

教員の専門とゼミの関連性

専門は言語学(生成文法理論)で、最近は、比較構文やTough構文における言語間の文法性の違いの要因や、実験に基づいた英語話者による様々な比較構文の獲得の仕方について、以下のような論文を書いています。ゼミにおいても具体的な文法現象に的を絞って、分析することを目指しています。

「空演算子移動における言語間の相違」『人間文化』47, pp.51-64, 神戸学院大学人文学会, 2020年7月
Acquisition of Clausal Comparatives by Parameter Setting. Language Acquisition and Development. pp. 325-346. Cambridge Scholars Publishing. 2020年1月

3.

身につく力

主に英語で書かれた言語学の教科書や論文をグループごとに発表してもらい、全員で議論を行い、言語学の諸概念についての理解を深める中で、英語で書かれた文献を精読しまとめる力、それをわかりやすく他者に説明する力が身につきます。また、様々な課題を通して、文法分析に必要な技法を身につけるとともに、自分の考えを論理的に述べることができるようになります。

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    子供の言語能力を測る実験の様子

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    日本語と英語の違い:句の中の順序

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    文構造の違いと多義性