1.

ゼミの紹介

日本は世界一海流の影響を受けている国です。北前船交易、海の高速道路の瀬戸内海、人・物・文化を運んだ黒潮・親潮などによる物流や、南北に長い列島地形と暖流寒流による気温南北格差などが、日本の自然環境や文化を大きく多様化させました。このような国は他に世界中のどこにもありません。そんな日本で海洋学(自然環境&文化形成)を学ばないのはもったいない。学生の皆さんとこれらの「海」をはじめとした様々な事柄を学んで行きます。

2.

教員の専門とゼミの関連性

専門は海洋物理学です。北太平洋を流れる世界的な大海流である黒潮を、衛星観測による広域データや石垣・与那国島からの海洋レーダ観測による局地データから研究しています。また、南西諸島のサンゴ礁保全の研究もしています。サンゴ卵が黒潮に乗って下流に移動することは、サンゴ生息域を極方向にずらすことにつながります。そのため、そういったサンゴ卵の供給源海域を特定し、保護することは、サンゴの温暖化適応を支援することになると考えています。ゼミの卒業研究では、これらに加えて身近な沿岸・自然環境の観測研究や環境由来の文化形成の考察などの幅広い内容を扱っています。講義では、これらの専門を活かして海洋物理学、地球温暖化、自然地理学などを担当しています。

3.

身につく力

自然環境や文化形成を実直に見る姿勢と正義感、真理を求め突き詰める探究心、データから現象を読み解く観察力と分析力、自然や文化の構造や原因などを客観的に解釈し文章にする力、などが身につきます。また、自然環境系の卒業研究をすると情報処理技術も身につきます。

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    南西諸島のサンゴ礁再生に重要な八重山諸島某所の海