稲爪神社でリーディング公演『かもめ――ニーナの夢』を実施しました

舞台の一コマ
2025年7月27日(日)、明石市の稲爪神社にて、中山文ゼミ3年生によるリーディング公演『かもめ――ニーナの夢』(大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェ2025)を実施しました。
本公演は、神戸学院大学人文学部・中山文教授(中国文学・中国演劇)のゼミに所属する3回生が、ゼミ活動の一環として実施したものです。
使用した台本は、本学の伊藤茂名誉教授がチェーホフの名作『かもめ』を、登場人物の「ニーナ」に焦点を当ててリライトしたものです。この台本を元に、演出家の小原延之氏(本学非常勤講師)の指導を受けた学生たちが、演出や音響などの裏方作業を全て自分たちで担当して舞台を作り上げました。舞台は4幕構成で、前半の2幕は3名の学生、後半の2幕は1名の学生が演出を担当しました。

レクチャーを行う長谷川弘基教授
学生や教員、卒業生など本学関係者だけでなく、地域の方々も駆けつけてくださった結果、会場は満員どころか座席が足りなくなり、急遽席を追加するほどでした。
公演に先立ち、本学人文学部の長谷川弘基教授によるレクチャーが行われました。チェーホフ愛に溢れた長谷川教授の解説のおかげで、チェーホフの人生や彼の文学の魅力、「世界文学」である『かもめ』の演劇史上の意義やみどころなどを理解したうえで観劇することができました。

会場から温かい拍手をいただきました
一つの役を複数の学生が交代して演じる形での上演でしたが、演技や衣装の工夫などのおかげで混乱なく観ることができました。BGMとしてクラリネットの実演がムードを高め、舞台初体験の学生たちも約45分の公演を堂々と演じきり、終演時には会場から温かい拍手が送られていました。
舞台上演後は、プロデューサーを担当した学生が司会を務めるアフタートークを実施しました。演出を担当した4名の学生が登壇し、上演後の感想や演出上の苦労などを語りました。また会場からの質問に答えて、台本の解釈について説明していました。

アフタートークで演出について語る学生
アフタートークで、長谷川教授の「3幕のニーナはまだトリゴーリンが好きなのか?」という質問に応えて、ニーナを演じた4名の学生が登壇した場面は圧巻でした。4人のニーナたちがそれぞれに語る回答から、彼女たちが作品を自分なりの視点から消化し、深く理解した上で演じたことが伝わってきました。
満員の観客席を前に演じきった経験や、地域の方々から温かいコメントをいただいたことが、学生のさらなる成長の糧になることを祈ります。