公開講座「異文化が交差する香り―インドネシア・スマトラと神戸のコーヒー文化―」が開催され、人文学部生が活躍しました

定員を超える参加者があった会場
2025年8月30日(土)、KOBE Co CREATION CENTERで、人文学部 鈴木遥ゼミ主催の公開講座「異文化が交差する香り―インドネシア・スマトラと神戸のコーヒー文化―」が開催されました。
本イベントは産官学の力強い連携により実現したもので、共催は一般社団法人大学都市神戸産官学プラットフォーム、協賛は石光商事株式会社、株式会社マツモトコーヒー(五十音順)が担っています。

司会をする人文学部2回生松岡愛姫さん
コーヒーの一大生産地であり、豊かなコーヒー文化をもつインドネシア・スマトラと、日本のコーヒー文化先駆けの地である神戸。本講座では、この二つの地域が海を越えて、コーヒーを通じて神戸の地で交差しました。

研究発表をする人文学部4回生井上まどかさん
はじめに、人文学部四回生の井上まどかさんによる研究「神戸とコーヒー文化の始まり」の発表が行われます。井上さんは、なぜ神戸にコーヒー文化が根付いたのかを神戸港開港から順を追って解説し、受講者をコーヒーの世界へ誘いました。
井上さんは、本番までの一か月間、大学の夏季休暇期間を有効活用しながら、ゼミ担当教員の人文学部 大原良通教授と何度も練習を繰り返したとのこと。
本講座での発表依頼を受けた時のことを「嬉しくて、ワクワクとした気持ちが強かった」と振り返り、発表および質疑応答の終了後には「受講者から質問をいただいたので、それを踏まえて卒業までにもっと研究を突き詰めたい」と笑顔で語りました。

NGO・SEMESTA代表Ade氏の講演
続いて、インドネシア・スマトラで、農業支援や教育などを通じた若年世代の育成活動を行う現地NGO・Sentral Muda Bestariの代表を務め、カフェ経営にも携わるAde Idra Suhara氏による講演「インドネシアのコーヒー生産とカフェ文化」がはじまります。
講演は、Ade氏によるインドネシア語と鈴木講師の日本語同時通訳で、現地さながらの雰囲気で行われました。
途中、講演内で紹介されたインドネシア・スマトラのリアウ州を代表するリベリカ種のコーヒーと、協賛企業より提供されたマンデリンの中でも高品質のブルーリントンのコーヒーが振舞われると、受講者の緊張もほぐれて、会場内に柔らかい空気が流れはじめます。
実は、受講者へコーヒーを淹れ、配膳したのは、人文学部三回生の大杉俊介さんと人文学部四回生の水田掌万さんの二人。大杉さんは本物のバリスタさながらの自前の衣装で参加し、約30人分ものコーヒーを洗練された手付きで淹れました。

コーヒーを淹れる人文学部3回生の大杉俊介さん
大杉さんに、コーヒーを淹れはじめたきっかけを尋ねると「父の勧めで、二人で一緒に淹れはじめたが、父よりもハマってしまった」とはにかみながら答えてくれました。また、今回たくさんの人の前で淹れた感想を聞くと「僕のコーヒーを飲むために人が集まった、という状況で淹れたのは今回がはじめてだったので新鮮な気持ち」「リベリカ種は麦茶のような飲み口で大変美味しかったので、購入したいと思った」と話していました。
閉講の挨拶では、大原教授が「そもそも人文学というのは、人の文(様子)を観察して良い方向に導くための学び」「今回のようなコーヒー文化も人文学の対象のひとつ」「人文学が根付いたまち・神戸で、兵庫県内唯一の人文学部として、これからものびのびと学べる環境作りに邁進する」と語り、講座を締めくくりました。
本講座の司会を務めあげたのは、人文学部二回生の松岡愛姫さん。松岡さんは、幼少期の海外旅行で「世界中の人と話したい」と思い、それから自主的に英語の発音を練習していたそう。今回はその成果を遺憾なく発揮し、日本語・英語の両方でグローバルな司会力を見せてくれました。

講演者、発表者、運営に関わったメンバーでの記念写真
本学部の教員や学生、そして、インドネシアから来日したAde氏をはじめとする皆さんの想いが詰まった本講座。
今回、本講座を滞りなく実現できたのは、携わった皆さんの並々ならぬ努力と、共催の一般社団法人大学都市神戸産官学プラットフォーム、協賛の石光商事株式会社、株式会社マツモトコーヒーによる産官学連携の賜物といえるでしょう。
主催:神戸学院大学 人文学部 鈴木遥ゼミ
共催:一般社団法人大学都市神戸産官学プラットフォーム
協賛(五十音順):石光商事株式会社、株式会社マツモトコーヒー