矢嶋教授が担当する人間文化学研究科歴史情報論教職特別講義で、大阪の中之島、北船場、堂島付近のフィールドワークを行いました
1月14日(日)に、矢嶋教授が担当する大学院人間文化学研究科歴史情報論教職特別講義を受講する修士課程1年の大津恒輔さんが、テキストとして近代大阪の経済史に関する専門書を閲読したことをきっかけにして、近世から近代にかけての史跡が残る大阪の中之島、淀屋橋、道修町、北浜、堂島付近でフィールドワークを行いました。
大津さんが歴史情報論講座に所属し、地歴科専修免許を目指していることから、フィールドワークでは江戸時代から昭和戦前期の大阪の発展を意識してルートを設定し、中学校地理や歴史、地理総合、日本史探究の教科書に記載される事例を実際に目にする見学となりました。
まず、住友家の寄付がきっかけとなって建設された大阪府立中之島図書館、株式仲買人の岩本栄之助が提供した資金で建設された大阪市中央公会堂を視察しました。次に、緒方洪庵が開いた適塾の建物が残る適塾記念センターでは、幕末や近代に活躍した適塾出身者を知るとともに、町家の間取りや構造についても理解を深めました。続いて道修町へ移動し、屋外からガラス越しで観覧できる住友ファーマ大阪本社ビルの史料展示スペースを見学してから、日本と中国の薬の神様を祭る少彦名神社で初詣の様子を視察しました。その後、北浜の大阪取引所とその前に立つ五代友厚の銅像を見学したのち、銅座跡、懐徳堂旧阯碑、御堂筋完成五十周年記念碑などを確認し、近代建築として知られる大阪倶楽部や三井住友銀行大阪本店ビルの外観を観察しました。最後に、大阪ガーデンブリッジ北詰に位置する堂島米市場跡モニュメントを確認して、フィールドワークを終えました。
フィールドワークに参加した大津さんは、「大阪が商人によって発展してきたことを実感することができた。道路拡張や建物の立地、河川の埋め立てなどは文献では理解が難しいため、現地に赴くフィールドワークの重要性を学んだ。特に江戸・明治期の堂島米市場の建物が、川にせり出していたことが驚きだった」と感想を述べていました。
なお、こちらのサイトにも記事があります。