人文学部の学生が、ため池が位置する加古川市西神吉町富木地区の地域環境や歴史を見学しました
人文学部の3年次矢嶋ゼミでは、毎年、加古川市西神吉町の農村富木地区で毎年行われているため池の池干し作業である「かいぼり」(じゃことり)に参加しています。11月2日、季節外れの台風21号から変わった温帯低気圧による大雨の影響により幡水池(蓮池)の水位が下がらず、かいぼりは中止となりましたが、雨が小康状態であったため、参加した3年次生12名、有志の1年次生2名が、富木地区内のかつての洗濯場の痕跡や、洪水調整池を兼ねて設計された加古川市立総合体育会館の駐車場、ため池の管理設備、旧家の高蔵、地区の寺などについての矢嶋教授の解説を聞きながら見学し、播磨平野の農村についての理解を深めました。
見学の後には、公民館で地元産のお米を使ったおにぎりと豚汁を頂きながら、矢嶋教授による富木地区周辺の地形や気候とため池が多い理由についての解説、富木地区環境保全協議会会長の富木攻氏による取り組みの紹介、兵庫県東播磨県民局の水辺地域づくり担当職員によるかいぼりの意義についての解説を聞きました。また、和亀保護の会の西堀智子代表や姫路市水族館職員による自己紹介とかいぼりに来た目的についての話を伺い、かいぼりがさまざまな目的を兼ねて実施されていることを学びました。
ため池の池干し作業は、かつてこの地域では「じゃことり」と呼ばれ、地元の方たちによって伝統的に続けられてきました。ため池の堤の点検、空気に晒すことによる池底の有機物の分解促進、外来生物の駆除を目的としていて、矢嶋ゼミでは、ため池の維持作業が困難になりつつある農村の現状を学ぶとともに、富木地区のかいぼりを盛り上げるため、2011年から神戸学院大学地域研究センターにおける協働研究の一環として参加してきました。
見学のあと、学生からは「池に入ることができなくて残念だった」「来年は4回生だが、できれば参加したい」との声が聞かれました。
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