人文学部の2年次矢嶋ゼミ生が、明石市中心部の小売業の変遷について理解するためのフィールドワークを行いました

人文学部2年次前期の実践演習Ⅰ矢嶋ゼミでは、高度経済成長期以降の明石市中心部における小売業の変遷について理解することを目的として、5月11日に明石市大蔵本町の稲爪神社から明石駅にかけて、フィールドワークを行いました。

大蔵本町付近で町並みの変化を把握しました
人文学部・地域研究センターと連携している稲爪神社で集合し、まず山門を見学した後、江戸時代に西国街道の宿場町であった大蔵地区で本陣と脇本陣の跡を見学しました。その後、大蔵本町の現在の街並みと高度経済成長期の住宅地図を比較したり、声をかけてくれた地域住民の方や明石浦の魚を扱う老舗鮮魚店店主に聞き取り調査をしました。

嘉吉の乱の後に幕府軍を迎え撃つために赤松満祐の弟祐尚が陣を構えた場所が寺院となった大蔵院
続いて、かつて司法事務所が集中していた明石簡易裁判所付近、金物屋や荒物屋がみられた鍛治屋町で、住宅地図を用いて街並みの変化を把握しました。本町通り商店街では、江戸時代創業の老舗煎餅店で、商店街が中心市街地活性化法の適用を受けて大正時代の芝居小屋に由来する映画館を改装して大衆演劇場明石本町三白館として整備した経緯や、老舗を継ぐ後継者の思いについて、聞き取り調査を行いました。

一眼レフの使い方を教え合っています。江戸時代の農鍛冶に由来を持つ金物店もある鍛治屋町
その後、高層マンションが林立するようになり子育て世代をよく見かけるようになった本町通り商店街の変化を住宅地図を用いて把握してから、観光客で賑わう魚の棚商店街を見学し、最後に旧ダイエー明石店跡に建設された再開発ビルのパピオスあかし内に設置された市民広場でフロア毎の入居事業所の構成について目視で確認し、パピオスあかしが目指す都心に人を引き寄せようとする設計思想について考えました。

本町通り商店街では、三白館で開催されている大衆演劇のポスターが見られました

本町通り商店街の老舗煎餅店で聞き取り調査をしました
6月には、郊外商業集積地域である有瀬キャンパスから大蔵谷インターチェンジ付近でフィールドワークを行う予定です。
[こちら]のページに別の写真が掲載されています。