鈴木講師の「アジア・アフリカの社会と文化II」でインドネシアの伝統音楽の演奏と伝統芸能を鑑賞しました
インドネシアの伝統音楽の演奏と伝統芸能の実演が7月6日、人文学部・鈴木遥講師が担当する共通教育科目「アジア・アフリカの社会と文化II」の授業であり、約50人の受講生が有瀬キャンパスで東南アジアの文化に触れることができました。
鑑賞したのは、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている影絵芝居・ワヤンの実演と、青銅鍵盤打楽器・ガムランの演奏でした。インドネシア国立芸術大学ジョグジャカルタ校伝統音楽学科に留学、帰国後は関西など各地で演奏活動をしている外部講師の西田有里さんより、ワヤンとガムランの特徴や歴史的な成り立ちを説明してもらいました。
続いてヒップホップなど別のジャンルの音楽との融合や動画共有サイトを通じた上演映像の発信などの新しい動きなどについての話もありました。この中で、同国ジャワの農村で、ガムランの演奏とともにワヤンが上演されている映像を見せてもらい、西田さんから「ワヤンの上演は夜通し行われます。人々は、ワヤンを見、ガムランを聴きながら、しゃべったり、ごろりと寝転がったり、ごはんを食べたりしながら、同じ時間を共有することを楽しみます」との説明がありました。
後半はいよいよ、ワヤンとガムランの実演でした。同国ジョグジャカルタ市出身で、幼少時からワヤンの人形遣いとしての稽古(けいこ)を積み、数多くの舞台に立ち、日本でも普及に努めているナナンさんも外部講師にお願いしました。西田さんとナナンさんはユニットで公演活動されています。ガムランの演奏が始まったとたんに講義室の空気は一変し、ワヤンのやわらかな影、そしてワヤンを扱うナナンさんの伸びやかな歌声やセリフが学生たちを一瞬のうちに別世界へと運んで行きました。
受講生からは、「ワヤンは1人で動かしているとは思えないほど細やかでなめらかな動きだった」「西洋音楽とは全く違う独特の音とコード進行だった」「ワヤンの影が大きく動き迫力があったし、平面の中で大小に映し分けられていて立体感があった」などと感激の声が聞かれました。また、「楽器を演奏するところが人形浄瑠璃と共通している」「主人公が試練を乗り越え敵を打ち倒すというストーリーは、普段私が見ている芸能と共通する部分もある」などと、自分の関心事に結び付けて感想を寄せる学生も多くいました。
鈴木講師は「今回の講義は、インドネシアの伝統芸能や音楽を自分の目で見る貴重な経験であったことはもちろん、私たちの文化や認識を捉え直す、そんな機会となったのではないかと思います」と話しています。