「兵庫県の現状と未来」特別講義 -人文学部キャリア科目で地域課題と将来を考察-
11月19日、人文学部「キャリア形成講義Ⅳ(新居田久美子講師)」において、「兵庫の現状と未来」をテーマにした特別講義が開催されました。講師に、兵庫県企画部計画課班長の松井雄一氏を迎え、「ひょうごビジョン2050」に沿って、地域の現状と将来の課題について解説して頂きました。主な受講生は、就職活動に取り組む人文学部3年次生で、講義では、兵庫五国の地域特性や社会の変化を踏まえた将来ビジョンが提示され、特に少子高齢化や人口減少がもたらす課題、地域ごとの特性を活かした持続可能な社会づくりに、興味深く耳を傾けていました。
人口減少の要因は、自然減(出生数<死亡数)、社会減(転入者数<転出者数)の2つがあるが、兵庫は自然減が大きく占めること、少子化の要因の1つは「非婚化」の進展であること、さらに、兵庫県の転出超過数は全国ワースト3位であり、20歳代が特に多いことなどを学びました。一方でファミリー層は転入超過であり、30~40代家族の転入が多いという事実もわかりました。
人口減少が生活に及ぼす影響として、①経済の低迷、➁社会保障制度(年金・医療・介護)の不安定化、③生活環境の悪化(商店・医療機関・交通機関の縮小)を上げ、むらおさめ(廃村)による広範囲に及ぶ自然環境への影響を知ることができました。松井氏は受講生に対して、但馬から淡路に至る多様な地域特性を活かした戦略の具体例を挙げ、未来の地域社会に向けた課題解決のために、若者が積極的に地域社会の担い手として行動することの重要性を語りました。
参加した学生からは、「人口減少が身近に迫っていることを知って驚いた」「兵庫の課題を実感し、自分たちに何ができるか考えさせられた」「将来のキャリアを考える中で、兵庫で仕事を見つけることも有りだと思った」などの感想が寄せられました。
最後に、新居田講師は、「本講座は、地域の未来を見据えた人材育成の一環として行われ、学生の研究領域においても、キャリアデザインにおいても、視野を広げ考察する絶好の機会となりました」と、兵庫県に感謝の言葉を述べました。
人文学部は、これからも産官学の連携を深め、地域社会との結びつきによる相乗効果を高めていきます。