2023年度学位記授与式における小林乃愛さん(人文学部)の答辞
3月22日(金)に行われた学位記授与式で、人文学部総代の小林乃愛さんが、研究科修了生・学部卒業生の代表として読んだ答辞を掲載します。コロナ禍の始まりの時期に入学し、苦労も多かった4年間で大きく成長した人文学部第31期生の記録として、どうぞ御覧ください。
なお、小林さんの答辞について書かれた記事が[こちら]にもあります。
答辞 二〇二三年度
厳しい冬の寒さも和らぎ、木々の蕾も膨らみ始め、春の訪れを感じる今日、私たちは卒業の日を迎えました。本日は教職員の皆様をはじめ、多くの皆様のご臨席の下、このように盛大な卒業式を催していただいたことに、卒業生一同心より御礼申し上げます
思い起こせば4年前の春、大学4年間への期待とは裏腹に、新型コロナウイルスの大流行により、私たちの入学式は中止となりました。大学1年生の前期はすべてオンライン授業となり、想像していた大学生活のスタートとはかけ離れていました。しかし、そのような状況の中でも、私たちの大学での学びが有意義なものであったのは、私たちのことを第一に考え尽力してくださった先生方、職員の皆様のおかげです。
1年生の後期からは少しずつ対面での授業も再開し、初めて大学で実際に顔を合わせる仲間たち、決まった教室に自分の机がある高校時代までとはまったく異なる講義スタイル、さらに親元を離れた初めての下宿生活。すべてが初めての経験で、不安や戸惑いもかなり大きかったことを、つい昨日のことのように鮮明に思い出します。
当初は、「家族に会いたい」「地元が恋しい」と何度思ったことでしょう。そんな私も、今では「ここに来て本当によかった」と心から思うことができています。それは、この地に来たからこそ出会うことができたたくさんの人たちのおかげです。この4年間で本当にたくさんの人たちに出会い、影響を受け、自分を知り、少しずつですが自分の好きな自分に近付くことができたと思います。ありがたいことに、私のまわりにはその内容はさまざまでも、「こんな生き方をしたい」と思わせてくれるような素敵な人たちばかりです。この先も、その人たちの素敵な部分を吸収させてもらいながら、今よりもっと好きな自分へと成長していきたいです。
この4年間は、自分自身で多くの決断をし、挑戦したいことにはなんでも挑戦し、行きたい場所へ行き、会いたい人に会い、人生において忘れることのない大切な4年間にできたと感じます。
とくに、私にとって1番の決断、挑戦は、オーストラリアへの海外インターンシップでした。将来の夢のためにも、「大学で必ず海外留学をする」と意気込んで入学しましたが、コロナウイルスの大流行で、海外留学どころか、国際線を担当するグランドスタッフになるという高校時代からの夢さえ諦めかけていたときもありました。
しかし、コロナウイルスが収まってきた3年生の春休み前、最後のチャンスかもしれないと国際交流センターに行くと、その次の日までが締切のインターンシップがあると知り、両親にすぐに連絡しました。急な連絡だったにも関わらず、「頑張れ」と背中を押してくれた両親に、その瞬間、必ず将来親孝行をしようと改めて強く思うと同時に、「自分も将来はこんな親になりたい」と感じました。
オーストラリアでの1か月間は、たくさんの素敵な出会い、新しい経験、見るものすべてがキラキラしていた、この22年間で最も濃い1か月間でした。インターンシップでは、現地の小学校で日本語教室のアシスタントをし、私の拙い英語をサポートしてくれた多くのバイリンガル児に感銘を受けた経験から、日本の家庭でバイリンガル児を育てるための卒業研究を完成させることができました。
さまざまな分野を幅広く学べる人文学部だからこそ、まずは自分の視野を広げ、その幅広い学びを踏まえて最終的には自分の好きなことを追究できました。人文学部、そして神戸学院大学に入学したおかげで、今、自分の高校時代からの夢の第1歩に立つことができています。
春から、私たち卒業生はそれぞれが学んだことを胸に、新たな道を歩み始めます。それがどのような道でも、大学生活で得た学びを糧に、そしてこの4年間で私たちに出会い、支えてくださったすべての人への感謝を忘れることなく、日々精進してまいります。
最後になりましたが、ご教授くださった教職員の皆様方、いつも隣で支え合い、私の喜びをいつも私以上に喜んでくれる大切な友人、幼い頃から今日まで私のしたいことを尊重し、常に応援しながら成長を見守り続けてくれた家族、そしてこれまで関わってくださった多くの皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
今後の神戸学院大学の更なる御発展と、本日ご臨席くださいました皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしまして、答辞とさせていただきます。
令和六年三月二十二日
卒業生代表 人文学部 人文学科 小林乃愛