鈴木ゼミが新長田で歴史、震災、まちづくりに関するフィールドワークを行いました

長屋での暮らしや産業の歴史について学ぶ

 
2023年5月14日、人文学部の有志学生3名と2年次ゼミ(鈴木ゼミ)の学生16名、森栗茂一教授、鈴木遥講師の計21名が、新長田でフィールドワークを実施しました。
以下、鈴木講師からの報告です。

 

フィールドワークの目的は、新長田の歴史、震災、まちづくりへの理解を深めることです。私たちはまず、震災の被害が大きかった商店街の一つである大正筋商店街を散策し、震災の展示を見学しました。新長田生まれで、震災直後から復興活動、そしてまちづくりに長年携わってきた森栗教授が、まちの歴史や震災当時の様子について説明し、学生たちは熱心に聞いていました。

 
散策後、私たちは、地域の方2名から話を聞きました。1人目は、大正筋商店街でお茶販売店を営む伊東正和さんです。伊東さんは、震災後、商店街を中心としたまちの復興に尽力された方です。震災後の火事で焼失した商店街の建物の写真などを見せてもらいながら、焼け跡でお茶を販売したことや、仮設の店舗を建て様々なイベントを実施することで地域の方々を鼓舞しながら商売を続けたことなどを語っていただきました。伊東さんは「災害が起こった時に自分のまわりにいる人を助けられるような人になってほしい。そのために、日々目標をもってしっかり過ごしてほしい。」と学生たちにエールを送ってくれました。

 

2人目は、音楽を通したまちづくりを長年続けてこられた、ほたる火コンサート協会代表の正岡健二さんです。正岡さんは、音楽家が表現する場、そして地域の方々が上質な音楽にふれる場として、無料のコンサートなどを企画し続けていらっしゃる方です。地域の方々に関心をもってもらうために、多様なジャンルの音楽を演奏するといった工夫をしてきたことなどを語っていただきました。特に、コンサートを地域独自の文化としていかに醸成できるか常に考えてイベントを企画してきたこと、そのために地域の仲間との協働、そして異分野との融合などを大切にしてきたことを教えていただきました。また、「地域を担う次世代の子供達が音楽を聴いて感動する機会を大人がきちんと用意してあげることが大切だ」とおっしゃっていました。

 

学生たちからは様々な質問があり、お2人に答えていただきました。

 

地域の方の語りからは、新長田への愛着と地域を守る覚悟が伝わってきました。また、多くの人々が協働する中で、世代を超えて地域の文化が繋がれてきたことを理解することができました。

 

長屋での暮らしや産業の歴史について学ぶ

長屋での暮らしや産業の歴史について学ぶ

 

伊東さんから震災当時の状況について聴く

 

正岡さんから活動の歩みについて聴く