2018年9月号

入社 2年目に販売促進部に抜擢。 地震でスーパーの役目を再認識する

合同説明会で出会った佐竹食品株式会社は、
「日本一楽しいスーパー」をめざす活力溢れた会社。
田上舞果さんは、生まれて初めて親の反対を押し切って自分の意志を貫いて入社。
早朝7時半勤務の現場経験を経て、2年目の今年、本社の販売促進部に抜擢。
仕事内容は、イベント企画、販促用ポスター、POP、社内報の制作など多彩。
元気に活躍中の笑顔がステキな田上さんに話を伺いました。

取材 永田 舞 /文 竹内明久

 

Profile

1995年姫路市生まれ。大学卒業後、地域密着型のスーパーマーケットを、大阪北部を中心に12店舗展開する佐竹食品株式会社に入社。satake大池店で食品部門を担当。2年目の4月、販売促進部に異動。販促と広報を担当する。

 

親の反対を押し切って入社

田上舞果さんが勤務する佐竹食品株式会社(本社:大阪府吹田市)は、地域密着のスーパーマーケット「Foods Market satake(以下、satake)」 を大阪北部中心に12店舗展開。グループ会社には、業務スーパーを29店舗展開する株式会社U&Sを擁している。
田上さんが佐竹食品に出会ったのは、就活中の合同説明会でのこと。同社のビジョン「日本一楽しいスーパー」のコピーに惹かれた。複数回の選考の結果、内定を得ることができた。他にも数社内定をもらっていた。
「採用担当の渡邊さんは何でも相談できる方で、この会社なら一人ひとりと真剣に向き合ってもらえるはずと考え、入社するつもりでいましたが、承諾書を出す段階で両親から反対されました。肉体的にも大変だろうと心配したのでしょうね。でも生まれて初めて親の反対を押し切って入社しました」と田上さん。

採用担当の渡邊さんは、田上さんを「コミュニケーション能力、人を巻き込む力、リーダーシップを発揮する力などで、他の学生さんより光っていましたね」と高く評価する。

本社階段壁面には、全従業員の写真が貼られている

 

1年目から仕事を任せてもらえた!

入社前研修等を経て、入社後に配属されたのは、satake大池店(大阪府茨木市)。任されたのは食品部門。中でも調味料やお菓子など、賞味期限の長いドライを担当した。
やってみて大変だったのは、想像以上に力が必要なこと。「台車で商品を運びますが、台車に載せるのもケース単位なので、重かったですね」。コツを覚えてからは、だんだん慣れてきた。
もう一つ大変だったのは、朝が早いこと。開店時間は午前9時からだが、出勤時間は午前7時半。「お化粧もしないといけないので、早く起きましたよ」と笑う。初めての一人暮らしで、社宅から通った。これも徐々に慣れてきた。
「もともと接客が好きで、お客様との会話も楽しかったし、先輩や現場の従業員の方も明るくて楽しい方ばかり。みんなで頑張ろう、の気持ちで私も頑張れました」
それと、何よりも早い段階から仕事を任せてもらえた点がうれしかった。

「1年目からお菓子を担当させてもらい、自分で商品を仕入れて、値段を決めて売ることができました。新しい商品を仕入れるたびにお客様の反応を見ることが、ドキドキワクワクでした」と語る。

 

販売促進部でイベント企画。社内報も担当

そして今年4月、田上さんは、できて3年目になる販売促進部へ異動した。入社2年目の抜擢である。
「声をかけられたとき、すっかりなじんだ現場なので、愛着もあるし、どうしようか少し悩みました」と打ち明ける。
販売促進部は、販売促進と広報が主な仕事だ。
販売促進では、社長、専務も出席する月一回のイベント企画でイベント内容を決め、ポスターなどを作成し、お客様に配る景品も考えたりする。
広報では、メディア対応や社内報などを担当している。さらに各店舗にある大きなタブレットへ本部から情報を流しているが、田上さんはそこに「社員紹介バトン」を企画した。

消費者向けに毎月発行する「satake通信」は、食品に関する情報満載

 

「店長や新入社員は、社内報でも紹介されますが、グループ会社には約1800人の従業員がいますので、私も知らない人ばかり。そこで1週間に一人ずつ自己紹介の内容を静止画のスライドショーで流しました。あ、こんな人も働いているんだと、休憩時間に見て楽しんでほしい。1800人もいれば、永遠に続く企画ですね」と笑う。

何よりも自分で企画を立てる点が楽しい。また、自ら店舗に出かけて、取材や撮影をすることもあるが、店舗ごとに違う個性を発見するのも楽しいという。
今後の課題を「どんどん自分の仕事を作っていきたい」と語る田上さん。それもお客様に楽しんでもらうことはもちろん、「従業員の方にモチベーション高く楽しく仕事に取り組めるような企画を考えていきたい」と意欲を燃やす。

 

スーパーはお客様の暮らしの一部

毎日、元気に活躍する田上さんだが、改めてスーパーマーケットで働くことの意味を考えた出来事があった。
今年6月18日、7時58分頃に起きた最大震度6弱の大阪北部地震で、satakeの各店も被害を受け、商品が陳列棚から落ちて床に氾濫した。大手スーパーが店を閉めた中で、幸いにもsatakeは、1店舗を除いて開店した。
お客様からのはがきも田上さんが管理している。
「はがきには、地震の時に開けてくれて助かった!という声をすごくたくさんいただきました。スーパーはお客様の暮らしの一部であり、欠かせない社会インフラなんだと再認識しました」
だからこそ社会的役割を噛み締めながら、これからも頑張っていこうと考えている。

イベントに合わせてポスターを作成

 

satake本店内にて

 

矢嶋ゼミで充実の大学生活

ところで田上さんの学生時代は?
「2年次の後期から人文地理学の矢嶋巌ゼミでしたが、すっかりゼミに染まった学生でした」と振り返る。
それまでは学生時代の印象がなく、矢嶋ゼミから大学生したなという気がしたという。2泊3日で実施した加古川フィールドワーク体験も思い出深い。
他にも「人文学研究会」に入り、いろんなゼミの学生が集まって、卒論の研究発表をしたりしていた。
後輩に伝えたいのは、多くの先生と関わってほしいということ。

「大学の先生ってすごく個性的で、各分野の専門家じゃないですか。そんな人が身近におられるのは本当に貴重。大学生のうちにいろんな先生と関わってほしい」
さらに次のようなアドバイスもいただいた。
「バイトばかりするな、と言われる先生もいますが、私は働くことやお金について学べるバイトも大事。授業もバイトも遊びも全部、全力でやったらいいと思う。時間の融通がきくのは学生の間だけだから」。
何事にも前向きで熱心な田上さんであった。

左は、人事部新卒採用課課長の渡邊華子さん。彼女も神戸学院大学人文学部卒業生(2010年卒)である